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動線を滞在場所に変換する

収納の無い賃貸住宅の広い玄関に、収納棚と作業デスクを一体で造作した計画である。斜めに立つ既存壁面に沿い、奥行の異なる棚板を連続させた。
上着を仕舞い、アクセサリーを外し、そのままデスクへ向かう。
帰宅後の振る舞いが、平面構成に現れる。収納は単なる容量ではなく、行為の順序を受け止める装置として設計した。

デスクは屋外用キャンピングチェアを室内で用いることを前提に高さを設定している。
深く腰掛ける姿勢に合わせて作業面を低く抑え、座位視線を意図的に下げた。
結果として内部空間に屋外的な解放感が生まれる、家具選定から逆算した寸法操作である。
クローゼットは収納量を確保するためハンガーパイプを二段構成とした。下段は2/3で止め、残りをロング丈衣類の余白とする。
下段先端は上段からワイヤーで吊り、荷重を分散させた。数量と可変性を同時に成立させるための構造的処理である。

「entrance_base」は、玄関という境界領域を「通過点」ではなく「滞在の起点」として再定義する試みである。
行為、姿勢、荷重。
それぞれの具体性から寸法を決定し、生活の痕跡がそのまま形になる状態を目指した。

竣工:2021.10
所在地:東京都世田谷区
用途:造作家具
設計・写真:田子基琳建築設計事務所

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